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n002.脱主流?

正月の新聞を見ていて、ふと目にとまった記事。確か名古屋だったと思うが、コンビニを経営していた人が、契約更新に際し、二つの条件を提示し、受け入れられずに廃業したという話。その条件とは、深夜営業はしない、定休日を設けるというもので、コンビニの担当者は口をあんぐりだったとか。コンビニ時には、会計時に常連客と話し込むこともできず、アルバイトに任せる時間帯も多く、人生として何か違和感を感じるようになっていたとのこと。多分、元々酒屋さんだったのだろう、元の形態に戻って、休みの日にはしっかり勉強し、今では遠方からもわざわざ足を運んでもらえる酒屋さんになっているという話だ。ご多分にもれず、高度成長期のモーレツ時代を生きてきた団塊世代(実際は少し後世代だが)の僕たちは、徹夜をものともせず、それなりに走り回って生きてきたわけであるが、さらに、アトリエ事務所の設計世界では、それも当たり前の当たり前だったわけであるが、その充実感はそれなりのものがあったこともいなめない。私自身、若い時からずっと血糖値が高く、同類の友人の早期死去をきっかけに、一昨年に糖質制限をしてから驚く程の成果(数値の減少)が出て、体も少しスリムになった。今では全く薬も飲まず、僕の薬は毎日の酒だなどと戯れているけれども、年齢を経ての人生はそれぞれ考えるものである。短期シリーズの掲載だったことに気づき、前後の記事も読んでみた。それぞれ、自分の人生を考えながら歩んでいる人の話だが、タイトルの『脱主流宣言』は気に入らない。大新聞の記者の記事ゆえか、人と比較する話ではなかろう。さらに、自分の生き方とはいうものの、そこに何らかの社会性があるわけで、そこを強調して欲しい気がする。6日から大学も始まった。若者は若者らしく、ひたむきに我が道を歩んでいる。

No.4(2000.07.03)『よぎ展』

日本建築家協会の近畿支部のなかに、関西建築家クラブがある。毎年、この会の有志で『よぎ展』を開催している。回を重ねて第11回。建築家の趣味の発表の場として、絵画、写真、彫刻、書道、拓本などみなさん達者な面々の展示だ。私は、趣味と言うには気恥ずかしいが、旅のつれづれに写したものを出展させていただいている。毎年4枚組なので結構の数になり、いずれ本にでもと思っている。イエメンの羊飼いなどの写真から、今年は趣向を変えてロンドンのまちなかの写真とすることにした。夜、走る車の中からテームズにかかる橋を写したものをメインに、ウォータールー駅、チャンネル4のガラスのビルと、テームズバリアー。他に、彩やかなブルーに再塗装された旧市街地のビルの写真は最も気に入ったものであるのだが、これは次回のお楽しみとすることにした。心斎橋のギャラリー井上で、7/6から7/11まで。乞うご来場。

No.5(2000.07.10)『ほんまのロンドン』

三笠書房・王様文庫「ほんまのロンドン」がおもしろい。著者は1967年ロンドン生まれ。マンチェスター大学を卒業後、大阪市内の高校で英語を教え、帰国してロンドン大学で修士号を取得して再来日。現在は、英国紙の特派員という経歴の持ち主だ。「ほんまの話、”これまでのロンドンの本とどこが違うの?”おおいに違うさ。・・・そうではなくて、活気あふれる今このときのダウンタウン・ロンドンをガイドする本なのだ。 1,200万人の人々が生活し、楽しんでいるコスモポリタンのロンドン。ブリクストンではレゲエやダブミュージックが・・・、ソーホーではチャイニーズ・レストランから・・・、そして、ブリック・レーンではインド人の露天商たちが・・・。」クイーンズ・イングリッシュをしゃべる人などいない。コックニー(東ロンドン弁)か、そのほかのロンドンなまりばっかりのロンドン。 http://www.honmanolondon.com

No.6(2000.07.17)『歩きたくなる道100』

梶木さんからのメールで、「都市計画家協会」が「都市のなかの歩きたくなる道100」候補を募集しているとのこと。なんでも、「遊歩都市研究会」というのがあって、そこの企画だそうである。それを聞いて、僕は、千林商店街を思った。りっぱに歩きたくなる都市の道である。しかし、一方で御堂筋や・・・という話もあるらしい。住宅地のなかにも、気持ちの良い道はいっぱいあるし、住宅地も都市である。あるいは、別の話の時に、○○筋だのという筋や通りだけでなく、界隈的にそれらをつなぐ連続した道筋、道行きの気持ちの良さに注目していたのが大塚さんである。僕などは、この路地、あるいは、断続的に連なる路地群、飲み屋横町の朝晩、なども思ってしまう。住民によって手入れの行き届いた道、花々の咲き誇る道、小路、生活感の気持ちの良い道、通り。やはり、界隈が問題なのだろう。議論はつきない「みち」の話。10月締切。

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