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n004 設計製図E講評会、先端機構シンポジウム

今週の火曜は、設計製図E(集住環境の設計)の最終講評会だった。設計製図と言っても、内容は設計演習である。2004年に着任以来、いくつかの課題を体験してみて、2007年度から集住環境の設計課題を作った。ちょうどそんな時期の2006年に、JIA近畿支部「建築家新人賞」として、第1回関西建築家新人賞が設置された。第1回目の審査委員長は竹原義二さんで、あとの二人の審査委員は委員長が指名することになっていて、私と吉羽逸郎さんが担当することになった。その時の受賞者が、森下修さんと矢田朝士さん。その二人に翌年からの課題の非常勤講師をお願いすることになって、もう7年になる。矢田さんは、大学の先輩の重村力さんの研究室を出ていて旅好き、集落好き。森下さんは竹中出身だが大学の後輩になる。いろんな縁での課題でもある。2~3人で協議しながら進める課題で、学生は集まって住む環境のイメージを創っていくところから始めなければならない。もちろん、アーバンデザインの視点も重要で、こちらもなかなか経験に乏しい。冬休みを挟むので、それなりの提出物にはなって、毎年の講評会になる。選択課題で学生数はそんなに多くはないが、講評会は午後いっぱいの5時間、その後の懇親会で学生の好みの作品などが発表され、自由な意見交換会となる。群を設計する、あるいは群を構成する建築を設計するというのは、なかなか難しい課題ではある。研究室の0期生(配属初年度の学部4年を研究室1期生と呼んでいて、その年の修士1年は0期生)の野々山君も来てくれて、はっきりと自分の意見をしゃべっていた。懇親会後も、研究室の修士や野々山君、矢田、森下両氏を交えての建築談義が続いた。翌日は、先端科学技術推進機構シンポジウム。僕たちにとっては、第3回団地再編シンポジウムだ。M2の辻村君、PDの宮崎君の発表の後、招待講演として、大阪ガス株式会社エネルギー・文化研究所の弘本由香里さんに、「地域資源とつながりの再デザイン」という講演を頂いた。その後、レストラン紫紺に場所を移し、意見交換や懇親の時間を持った。再開したこの「週刊ニュース」は、団地再編プロジェクトの経過報告になりそうな雰囲気が漂っているが、果たして・・・。

No.10(2000.08.14)『モンゴル行き』

「ゲルの包容力」という文章を新建築の住宅特集に書いたことがある。古市さん達の「21世紀のゲルづくり」のシンポジウムのレポートなのだが、そのときに見た<定住ゲル>のスライドが衝撃的だった。その後、いくつかの写真で確認した定住ゲル。「彼らは都市の中でもゲルに住んでいる。しかも、木の塀に囲まれて。・・・ウランバートルの市街を丘の上から望む写真は、非常に興味深いものだ。独立住宅の建つ敷地は、すべて木塀の仕切で区分けされているのだが、ゴチャゴチャとした木造の、それこそ仮設のような部分を従えて、白くて丸いゲルがある。さらによく見ると、ほとんどの家がそうなっている。別の都市周辺の集落を斜め上空から見た写真は、もっと印象的である。水平に幾重にも連なる木塀の上に白くて丸いゲルが点々と頭を出して広がっている。」ゲルとはモンゴルのパオ(包)のこと。12日から現地に行くので報告乞うご期待。

No.11(2000.08.21)『フェルトのまち-1』

モンゴルでは、建設建築事業団のミャクマル氏(民博の大モンゴル展で、21世紀のゲルづくりシンポで来阪)や、市の都市計画担当者の話が聞けた。もともとウランバートルは、寺院を中心としたゲルのまちで、別名が「フェルトのまち」。モンゴル人民共和国成立に伴い、フレーから名前を変えて首都になった1924年当時の人口が 6万人。地方からの移住者が増え続け、1963年には22万人、1985年には49万人。1990年の民主化時には57万人、今では77万人にのぼり、国の全人口(約 240万人)の 1/3が住む一局集中都市である。さて定住ゲルであるが、バラックの建物と同一敷地内にしっかり共存している。中心部では社会主義時代の集合住宅に混じり、周辺近郊では独立住宅街区として、市全体の居住者の54%がこのゲル地区に住んでいる。1986年の社会主義時代の計画では2000年には解消されるはずだったゲル地区。実は益々拡大中だ。-続く-

No.12(2000.08.28)『フェルトのまち-2』

ウランバートルでは、従来、国の所有であった土地が、法の未整備にも関わらず私有化が進んでおり(土地利用法では、利用権だけがあるのだが・・・)、車の急激な増加による環境悪化(排気ガス)、水質の悪化、森林破壊等が大きな問題だ。地方からの移入者の増大で、なくなるはずだったゲル地区は拡大中。追っかけで道路、電気の整備をしている状況。民主化で15M×20Mの予定の各敷地も守られてはいない。水は給水車が配水所まで運び、そこから運水バケツで運ぶ段取りだ。暖房は石炭ストーブ。そんなゲル地区だが、驚くほどに整然とした区画割りと広幅員の区画街路だ。ゲルの出入り口が必ず正南面であることと、住民が火災や引っ越しのことを考え、自然にそうなっているという事。上下水道、石炭暖房の汚染、冬季の保温等、定住には向かないと行政関係者が言うゲルであるが、本当にそうであろうか?次回はゲルの将来を考える。

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