n011 『団地再編専門家養成セミナー、団地再編コンペ』
文科省戦略基盤KSDP団地再編プロジェクトで、5月から、団地再編専門家養成セミナーを開催することにした。対象は、行政の若手職員と、この分野に関心のある建築系大学院生で、今後わが国の重大な課題になる大規模団地再編に取り組むリーダーを養成するのが目的である。団地再生ではなく「団地再編」と言っているので、関西大学の方言とも称されているが(笑)、制度や仕組みの再編から団地そのものの運営形態を、次代の持続的な集住環境にふさわしい形態に再編し、現在お住まいの方々の今後の充実した人生から、次代を担う若い方々までもが住みたくなり、住み継いでいただけるような集住環境に、ストックを活用しつつ更新するという意味で使っている。セミナーは、5~6月の前半が、団地原論シリーズ。団地の成立からその後の歴史や現状を確認するシリーズ。10月~11月の後半が団地再編シリーズというカリキュラムだ。前半が終了した時点で、<近代の団地は何を目指したか?>というシンポジウムを開催する。コーディネーターが鳴海邦碩先生で、パネラーは、陣内秀信(法制大学教授:歴史)、服部岑生(千葉大学名誉教授:計画)、丸茂弘幸(元関西大学教授:計画)、角野幸博(関西学院大教授:計画・郊外論)というメンバー、7月12日(土)の予定。一方、河内長野市のUR南花台団地を題材に募集していた、団地再編コンペ2013の一次審査を実施し、5月25日(日)に河内長野市で行う公開プレゼンに進む提案を選出した。時間が気にはなるが、多くのテーマに関して議論したいということもあり、8作品を選出した。東京、東京、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、兵庫というエリアからの提案となった。優秀提案やプロジェクトからの提案を交え、7月16日、17日に、大阪ガスビルホールで、一般と行政向けに2日間、展示会と公開シンポジウムを開催する。また、本プロジェクトで需要な課題と指摘している、建築基準法86条一団地の取り扱いに関する検討会(UR主催)の今年度最終委員会が開催され、一定の整理と課題認識の共有化、検討の方向性が示された。今後は、この資料を基に、行政や建築審査会等との課題認識の共有化を図る予定だ。先週土曜日は、昨年亡くなった母の一周忌を妹の家で。階下のU氏からは、阪急芦屋川駅周りの再開発の必要性に関する相談を受けた。さて、本日は、首都大学東京のリーディングプロジェクト最終成果報告会(新宿都庁)に出席。「新省エネ東京仕様開発提示プロジェクト研究」「リファイニング建築開発プロジェクト研究」「郊外型都市賦活更新プロジェクト研究」という内容である。
No.31(2001.01.09)『元気出せ関西』
1月1日付のNO.30「横に伸びる百貨店」は、昨年の建築ジャーナル6月号、近畿版の論評。小田実の意見には共感だ。環境共生や地域共生の話だって、ひしめきあいが発する活力あってこその話だと本当に思う。さて、1月4日の読売新聞大阪の第1面、「本社新世紀提言」が目を引く。ここ数年、大阪市やいくつかの大阪の企業と「都市大阪創生研究会」をやっており、また、関西圏のいくつかのNTの計画変更にも立ち会っているだけによけい興味深い。21世紀に関西が再び輝きを増すために提言された5つの緊急対策は、1)千里・彩都をバイオヒルに、2)ITの全国シェア20%をめざせ、3)先人企業家の精神受けつごう、4)USJと豊かな歴史遺産をつなげ、5)魅力ある都心を、といったもので、それぞれに関連する3つの具体の提案付だ。5日からの紙面(8日は休載)には、それぞれの解説も載っているので、ぜひご一読を!
No.32(2001.01.15)『都市格』
日曜日、粉雪の舞う京都まで、宮本憲一氏(大阪市立大学名誉教授)の講演を聞きに出かけた。「人に人格があるように都市に都市の風格がある。人格が体重や所得ではかれないように、都市格も人口・高層建築物の数や生産額・自動車交通量ではかれない。災害や公害が少なく、健康で歴史的に文化が蓄積され、市民の都市への参加と連帯のある住み良い街が、都市格が高い。」氏は、「日本には、都はあるが都市はない。」と言われるように、行政都市ではなく、市民都市としての「住みごごちの良い街」と言う意味で、この都市格を考えたいと言う。都市格の高い京都に、多くのほころびが出現している現状に対して、市民、企業、行政は、この視点を共有すべきであるという話である。詳細は、「都市政策の思想と現実」有斐閣 に詳しい。講演中の多くの引用言葉から、「四条通りの上を中秋の名月がいく都市計画」 街は自然の変化の舞台。
No.33(2001.01.22)『ゴスペルコンサート』
阪神淡路大震災メモリアル-生きることの喜び、と題したコンサートを17日の夜、ルナホールに聞きにいった。出演は、Spirit of Colors(Professional Singers Unity)、越智順子。前者は、クラシックやジャズ・ロックなど、幅広いジャンルのシンガーによるオーディションの合格者によって結成されたプロのコーラスグループで、それぞれ、ソリストとしての実力を有し、実際に活躍しているメンバーだけあって、なかなかのものであった。実は、友人の娘がメンバーで、だまされたつもりで行ったのだが、仲々に感心してしまった。せめぎ合いが勝っているかのような協働行為の楽しさ、迫力。後者は、ご存じの方も多いかも知れないが、日本人離れした声量と抜群の歌唱力で飛躍が期待される大阪出身のジャズシンガー。この掛け合いもまた良かった。いくつかのお寺さんや教会、等の協同企画による無料のゴスペルコンサートである。満員。