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n014 『宿根木』

先日、思い立って佐渡の宿根木集落に行ってきた。早朝の阪急電車に乗り、7時20分伊丹発のANA機で、1時間5分で新潟に着く。(ターボプロップ)プロペラ機は上翼で、天気の良い日は比較的低空飛行をするので、眼下の景色が素晴らしい。真下に男山団地を見て、岐阜県下に入ると雪の山渓が雄大だ。アテンダントから地図をもらい、見比べながらのあっという間の飛行であった。新潟空港からはバスで新潟駅、そこで乗り換えて、佐渡汽船乗り場まで。飛行機が早く着いたので、バスも早いのに乗れ、新潟港から両津港までのジェットホイルも一便早いのに乗れた。ジェットホイルは、船底を空中に浮かせて時速80kmで進むが、まったく揺れず、船に乗っている感じがしない。予約していたレンタカーの時間も早くしてもらい、いざ、最南端へ。佐渡は淡路と同じぐらいの広さだが、道にはほとんど車が走っていないし、雪を抱いた雄大な山の景色が楽しめる。気候も良くて、ほんとにのんびりしたドライブだ。宿根木の小さな集落を見ても、いつも思うことだが、現代の集住環境技術の貧しさを感じざるを得ない。ソットサスが、建築は商品ではないと言っていたが、そこのところが一番の問題に思える。場所との共生により、いかに豊かな人生舞台を作り上げるかだ。確かに今は千石船もなく、これからどうするのだということではあるが、こういった美しい集落はきっと残っていくというのが僕の思いだ。南仏の小さな集落巡りで発見したように、宿根木集落にも墓地が隣接してあって、美しい生花が咲き誇っていた。

No.40(2001.03.12)『路地尊』

「「災害時には避難路になり、通常は地域の広場になる路地を尊ぼう」という趣旨で命名されたのだが、要するに現代版天水桶。手押しポンプつき掲示板で、雨水を地下タンクに貯めておき、火災の時に汲みだせるようにした設備だった。これも、水の郷の大切な要素だ。・・・ロジソンをさがして、クモの巣のように張りめぐらされた狭い小径を歩くうちに、路地めぐりがおもしろくなってきた。小体な料亭、怪しげな豪邸、裏路地の鉢植え群、ふっと湧きでるおばあさん、表具屋、質屋、銭湯、経師屋、足袋屋。植木屋でほとんどみかけなくなった、ナンテン、ヤツデ、アオキも、健在だった。とても懐かしい植物達。やあ、久しぶり。葉っぱに触れながら、思わず声をかけてしまった。ゴチャゴチャしているけれど、暮らしの匂いが立ちこめる温かみのある風景。なんだか居心地がいい。」水の郷 100選墨田区 斉藤潤 1/100の旅⑪ ana機内誌

No.41(2001.03.19)『恐怖の建築』

「現代都市に増えているのは「恐怖の建築」である(ナン・エリン)。中産階級のサバービア、ファンタジーを編集するテーマパーク、オープンスペースを囲い込むアトリウムなど、「内部」の浄化を指向する感受性が勢力を伸ばしている。「外部」は恐怖と不安の源泉とみなされる。あるいは「接触しない接近」の関係が目立ちはじめた。遊園地に隣接してドヤ街が広がる、ビジネス・パークに隣接する公園では野宿者のテント・シティが出現する、ウォーターフロント開発に隣接して老朽長屋が密集するなど、相互に異質の空間が製作され、交差しない並列の関係として配置される。しかし、「恐怖の建築」とは不可能性を内包したイデオリギーにほかならない。都市が「都市」であるのは、空間が開かれているからである。多数の人びとが都市に入り込み、多重の矛盾を誘い出し、空間を動かしてきた。」価値序列の編成(都市計画)たる都市構築を批判する平山洋介は、還元不能な二重性に注目する。

No.42(2001.03.26)『美しい町』

「「画家のEは、ある日、突然 テオドオル・プレンタノという署名のある手紙を受け取った。ぜひ会いたいと書いてある。・・・中学時代の同級生川崎だった。・・・その父が金鉱を持っている富豪で、死んだとき彼に莫大な遺産を残した。川崎はその金を使って、東京の一角に土地を買って・・・美しい町をつくりたいという。Eは、もう一人の建築技師と二人で川崎を助けて町づくりの計画をはじめた。場所は築地の中州のあたり。・・・いよいよ土地を買う段になって、川崎は、実際には父の遺産がそれほど大きなものではなく、美しい町づくりも空想でやってみようと思っていた、とEと建築技師に告白する。」・・・人間は心のどこかで、この小説のような美しい町づくりをしている。」「一生の大道といふところにはあらぬ小径のなつかしきかな」佐藤春夫が小説の最後に書きつけた与謝野晶子の詩のように、小径をなつかしめれば、という板坂元。

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