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n015  『カンポンプロック』

大学に着任した翌年から行きだした、カンボジア、シェムリアップ近郊の、トンレサップ湖浸水域にある美しい両棲集落。1年間に、浸水期は水上集落、渇水期は空中集落の時期があって、さらに渇水期には、2kmほど離れた”その時期の”湖の浅水面上に仮設移住集落も出現する。それが、カンポンプロック村である。トンレサップ湖は、メコン流域の調整機能を有する湖で、雨季には琵琶湖の10倍、乾季でも3倍という巨大な伸縮する湖である。研究室の学生たちが村に滞在し、縄で実測して集落の全体像を図面化した。渇水期、浸水期、それぞれ1か月ほどの滞在を2年かけてやっと完成した実測図。山田脩二さんに同行してもらい、彼の撮ったモノクロの膨大な写真×学生の実測図展を、新宿駅東口前のコニカミノルタプラザでやっていただいたのが、 2008年4月29日~5月19日、ちょうど今頃の時期に必死になって準備をしていたのを思いだす。「コニカミノルタプラザ 実測図」や、「コニカミノルタプラザ 山田脩二」で検索すると、当時の写真や図面が今でも見れるので、ご覧になっていない方や最近の学生諸君は、ぜひチャレンジして頂きたい。昨年末には、今では卒業して社会人になっている当時の学生たちが正月休暇をそこで過ごし、当時から変わった風景、変わらない風景などを報告してくれた。昨年は行けなかったので、今年は研究室でぜひ行こうと学生たちが言っている。平成天の川伝説や、東京ホタルは、僕の友人、飲み仲間の原野さんがプロデュースしているが、その「祈り星プロジェクト」もどきを秋の親水期のカンポンプロック村でやりたいと企画を練っている。電気のない集落に、ソーラー充電する青色の「祈り星発光体」を浮かべるなんて、想像しただけでわくわくする。回収が問題だが、縄で水面を限定すれば何とかなるのではないかと思っているが、果たして実現できるだろうか。問題は、研究室に面白いプロジェクト、社会的に責任のあるプロジェクトが盛りだくさんあり過ぎることであるのだが。でも、すでにチームは出来ている。

No.43(2001.04.02)『路地のまち』

安原さんに誘われて、生野東に出かけた。JR寺田町北口での集合には間に合わなかったので、ひとり、地図を頼りに目指す集会所まで歩いた。微妙に曲がるアーケードの商店街が長い。千林の商店街ほど広くはないが、結構長い。匂いのするみちに、自然におなかが反応してしまう。この地区の住民である船越康亘氏から、進行中の住宅地区改良事業について概要を聞き、その区域、 6.4haを歩きまわった。見事に路地のつながる小さなスケールのまちだ。地図を片手でなければ、迷子になるほどで、おもわず、 インドネシアのジョグ・ジャカルタの路地集落を思いだしてしまった。「・・・には、小さな集落に固有の親愛の情、安心感が保たれている。それはおそらく、ここの街路が大がかりではないこと、曲がりくねった・・・」これはアムステルダムについての文章だが、密集地区の再生には、「親愛の情」「大がかりでないこと」「曲がりくねった」何かが必要だ。

No.44(2001.04.09)『桜の色に』

「『古今集』の仮名序にいう「やまとうたは、ひとのこころをたねとして、よろづのことの葉とぞなれりける。世中にある人、ことわざしげきものなれば、心におもふことを、見るもの、きくものにつけて、いひだせるなり。花になくうぐひす、みづにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける」の精神である。こうしたことは色彩に対する表現にも顕著に表れるものなのであろう。「桜色に衣はふかく染めて着む花の散りなむのちのかたみに」という歌がある。奈良時代から、平安時代の初めの頃まで、色の表現は紅、緑、紫というように直接的であったり、蘇芳、刈安、胡桃のように染料として用いる材料そのものが色彩の名になっていたりした。ところが、この歌などを見ると明らかに、「桜の色に」と詠っている。桜の花の爛漫な風情そのものを自らの衣裳に映してみたいと・・・。」吉岡幸雄 色の歴史手帳

No.45(2001.04.16)『京都』

今、京都の仕事を少ししている。が、京都のまちのことをそんなに良く知っているわけではないので、京都造形芸術大学の非常勤講師を引き受けたのも、そんな背景がある。まち中の特定の場所を改造するような課題で、学生と一緒に知らないことは勉強し、まち歩きもしながら、いつも考えていることや感覚の話を京都のまちで考え直すのはおもしろそうだ。授業の前後には、いろんな京都に行ってみようと思っている。京都の本を読んでいると、知らないことがいっぱいある。「職司配膳」という京都ならではの職業は、2代目(64歳)の矢田さんによると、茶席や料亭、展示会などで、「お客様に気分よう帰っていただく」ための仕事だという。茶会や宴席の準備をし、客の下足と荷物を預かり、・・・一切の進行を取り仕切る。気の抜けない仕事の矢田氏が心から寛げる場所が法然院。ほんに静かな場所。「私のとっておきの京都」小学館より

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