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n017 『ロザリオ礼拝堂』

「ヴァンスにあるマチスのロザリオ礼拝堂はとても良い。これこそ建築の空間というほど、コート・ダジュールの光をうまく扱って、明るくしかし静寂な空間を実現している。やっぱり建築は場所との共生。 癌におかされたマチスがこの仕事のために手術を拒んで生を授かった。『この礼拝堂は生涯をかけた仕事の結晶。そして誠実にして困難な大いなる努力の開花』と自分の黙示録と称する文章に記したほど。1948年から1951にかけて3年以上もかけた仕事だが、その重さは全く感じさせない。」 2011年に南仏の小集落巡りをした際に訪れたヴァンスから、研究室の学生たちに送った文章である。ゼミで学生たちの美術館の課題を見ている時に、何人かの学生たちが、光と影の空間をテーマにしていたのを見て、不意に思い出したのがこの礼拝堂。壁面はマチスの描く絵タイルで、美術館のような礼拝堂だが、本当に明るく、しかし静寂な空間だった。ほとんどの教会や礼拝堂が暗く重々しいなかで、とても新鮮な経験だった。

No.49(2001.05.15)『スケルトンの緑』

8月のJUDI関西セミナーは、上野泰さんによる第2弾、「都市環境の遺伝子治療=緑としての建築」が予定されている。プランタゴの田瀬さん、ランドデザインの中村さん、大阪ガスの加茂さん、学芸出版の前田さん、私が加わって、そのためのワークショップをやっている。京都で進行中の具体のプロジェクトを材料に、”緑としての建築”の議論は、1)緑の構造化(スケルトンの緑とインフィルの緑の構造化)、2)都市景観(特に京都における緑としての建築のあり方)、3)緑の創り方(居住者、地域住民と環境を結ぶインターフェイスとしての緑)に集約している。「スケルトンの緑は、これまで社会的ストックを形成する緑というハード面で整理されていたが、今回の議論では、創り出す過程、育成の仕組みが社会に開かれたものであり、管理のために外部からのアクセスにも配慮されたものとして整理された。」上野さんのメモより

No.50(2001.05.22)『セーン』

「<トラディショナル・コミュニティ>というと、すぐノスタルジックな建築様式がニューアーバニズムだと誤解されることがありますが、そうではないのです。・・・古い街の魅力はある一人のアイデアで短時間につくられたものではないのです。長い時間のなかで壊れたり新しい部分が付け加えられたりして、味わい深い豊かな空間が生み出されていくのです。そしてそのプロセスを考慮することを<トラディショナル・ネイバーフッド・ディベロップメント>と考えています。」DPZ エリザベス・プラッターザイバーグ「<サスティナブル>や <リバブル>という言葉をこの10年間よくアメリカで見かけた。元祖英語版「サステイナブル・コミュニティ」では、著者のシム・バンダーリンとピーター・カルソープによって、「セーン(sane)」という言葉が使われている。「心の健全な、正気の、良識のある」という意味の言葉だ。「セーン・サバーブ」とか「セーン・ディベロップメント」というように使われている。」筑波大学講師 渡 和由

No.51(2001.05.28)『日本の風景』

先週後半、芦屋から京都、授業の後、三重(四日市から津)、翌日泉佐野、さらに御坊、そして芦屋までと、車を走らせた。高速道路はつまらないので出来るだけ下の道を走ろうと、地図を見ながらおもしろそうな場所を選んで走った。高速とは違い、時間のかかることかかること。睡眠不足の体にはたいがいしんどく、そこら中で一休みして、仮眠の連続と相成った。体はしんどかったが、そこで思ったのは、日本の風景にもまだまだ良いところがいっぱいあるなあということ。特に三重の山中の田園地帯は気持ちが和むほどの美しさで、しばらくボケーとしていたいほどであった。それにひきかえ、都市近郊の乱れ方はひどく、日頃、生活景観などといっている身としては、思わず絶望的になりそうなほどで、ショックも大きかった。今朝の週刊現代、ニッポンの長寿村第2回、沖縄県・大宜味村の風景、家、食べ物、この風景をどうやって残すのか?

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