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n030 『ルワンダ事情(1)』

先に行っている服部さんからメールが届いた。「本日、ルワンダのキガリに到着しました。街並みの美しさ、1000の丘を持つ国といわれるランドスケープの美しさに、心を奪われております。私のアフリカ観を180度変えるような光景に、個人的には来て本当によかったと思っています。さて、明朝、キガリ市の広報部長と面会をします。彼と今後のアポの調整等をすることになります。現時点で確定しているのは、12日の9時にキガリ市のマスタープランにも関わった都市計画部長、11時頃からはキガリ市の建築部局の職員(建築部長?)との面会ですが、どうも11日には市長との面会も組み込まれているようです。これはまた明日、明らかになりますので、詳細が分かり次第連絡するようにします。また、土曜日の夕食は、こちらで環境コンサルタントをしている水戸夫妻とルワンダのフェアトレードを実施されている静岡県の小沢さんと夕食の会食を予定しています。日曜日には水戸さんの奥さんにお会いして、いろいろとルワンダの背景をヒアリングする予定を入れています。また、現地情報ですが、1)マラリアはほとんどいません。なんせ高度1500メートルの高原都市ですから。私も缶で蚊取り線香を持ってきていますが、まったく無駄でした。2)円はこちらでは換金できません。ドルを400~500ドルほど(かそれ以上)お持ち下さい。私はCitibank Card でATMでおろそうとしましたが駄目でした。ちなみにVisa でもおろすことができませんでした。これは大きな問題です。ドルが命です。ドルでこちらのルワンダ・フランに換金します。ちなみに20ドル以下の紙幣ですと、換金レートが悪くなります。換金用は50ドル以上でご用意下さい。3)町中のカフェではカフェオレは35円ぐらいですが、ホテルでのくそ不味いクロックムッシュは1500円でした。物価は外国人がいるところは東京や大阪並みです。ご注意下さい。4)携帯電話は通じることは通じますが、SIMカードを入れ替える方はそうするといいと思います。遙かに割安になります。私は、カメラマンの熊倉さんがドイツで購入した携帯を持っていたので、それに現地で購入したSIMカードを入れて使っています。5)ホテルではインターネットは通じます。少なくとも私のホテルのインターネット環境は抜群です。6)気候は極めて快適で冷房入らずです。夜だと半袖だとちょっと寒いくらいです。7)こちらでの移動はタクシー運転手を終日雇いたいと思います。信頼できるタクシー運転手の電話番号は確保しておりますのでご安心下さい。8)人はまだ一日しか滞在していないので、一般化するのは危険ですが、本当に素晴らしいです。治安がいいというのも噂ではなく事実かと思います。9)エボラ熱はまったく心配する必要はございません。10)こちらでは、取材等でジェノサイドのことを聞かないのが外国人の礼儀だそうです。この点はご留意下さい。服部圭郎」

No.88(2002.02.13)『初体験』

「選手たちの最大の目的は、記録を上げて勝負に勝つこと。1000分の1秒の記録の壁をやぶるための機能を持っていることは大切です。同時に選手たち同士の心理的なせめぎ合いは激烈です。相手がどんなウエアで登場してくるか、自分はどんなウエアを着ているかは、選手たちの心理状態に多大なる影響を及ぼすことになると思うのです。私の役割はデザインの力で、その目的に最大限貢献することです。・・・これまで初体験であることの情熱と緊張が、つねにいい結果を生みだしてきました。その理由は、第一にその分野で慣れきった人にはできない新鮮なアプローチができること、第二に経験がない分、プロジェクトにおける自分の仕事の位置づけを客感的に把握でき、それを純粋に追求することができるからだと思う。ベテランになってきたと思ったまさにそのとき、同時にかけがえのない何かを失っている、そう感じます。」石岡瑛子

No.89(2002.02.18)『都心回帰』

「郊外に家を買った人々が、最近続々と都心に戻ってきている。・・・日本の土地や道路事情を考えると、むしろ、都心を中心に賃貸住宅に住まうヨーロッパ型へ進んだ方が合っていたはずだ。いま、その揺り戻しがきているのではないか。・・・このまま都心回帰現象が進むとしたら、郊外はどうなるだろう。スラム化現象も起こるだろう。スラム化が進み土地の値段が安くなれば、それを逆手にとって新しい魅力を付加する動きも出てくる。今まで2000万円だった家を、二倍の広さにして、農業のできる庭付きにする、などという価値をつける。その価値に納得できる人は、郊外を選べばよい。家は自己のプレゼンテーションの場だという・・・。24時間の中に仕事と遊びが混在する生き方を選ぶ人が増えるだろう。・・・仕事の中身と自身の生き方を鑑みて、それに最も適したプレゼンの場がどこかを選んで住めばよいのである。」隈研吾

No.90(2002.02.25)『仏の建築家資格制度』

「フランスの建築家資格の歴史と現状を概観してみれば、建築家の職能に対する社会的認知がその根底にあり、そのために様々な法制度が整備され・・・公共建築に際しても当然のように設計入札が行われること、行政がデザインは財政を圧迫するものと判断する一方で・・・予算獲得・配分のための書類や広報冊子の作成に力を入れ、実際の建築や景観の形成のプロセス・・・積極的に個人の建築家の役割を活用しないことなどが、今も疑問に思われない日本・・・雇用や契機の対策が叫ばれるばかりで・・・都心部の容積率のアップなどの皮相な議論がまかり通り、肝心の建築家の職能についてはいまだ正当な要求も不満も出されないでいる・・・日本の都市や建築の様々な病理を治療するためには、フランスの建築家制度を巡ってなされてきた、失敗も含めた治療の試みのすべてを参照すべき時期が、今を措いてはないように思われる。」松政貞治

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