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n031 『ルワンダ事情(2)』

台風接近で雨風が強くなる中、羽田経由で、ドーハ、キガリ(ルワンダ)。予定のQR3652便はANA運航のコードシェアで国内線。先に行っている服部圭郎さんからの情報は、前回の通り。他の情報からも、2003年以降の100ドル札が一番交換レートが高いというのがあって、空港で100ドル札に交換。普段は、ドルの低額紙幣、1ドル札ばかりに交換しているので、なんだかとても不思議な感じ。無事、羽田便は飛んで、羽田空港の国内線に到着。シャトルバスで国際線に移動。ドーハからウガンダのエンテバ経由でキガリまで。ネットで購入していたビザ代30ドルを払って入国。確かに涼しい。◆10日の日曜日は、僕一人で行動。9時ごろまでPCで仕事した後、朝食をゆっくりと採り、街中に出かける。ホテルは丘の上で、歩いて下界に降りる。途中の道はあまり人が歩いていなくて、しかしゴミ一つ落ちていず、清潔できれいな街並み。擁壁も多いのだが、必ず段状にセットバックし、手前は高木などの緑でカバーされており、広く豊かな風景だ。でも、僕の好きな集落的で密度感のある風景とはだいぶ違うけど・・・。途中にある店は、日曜日でどこも閉まっていて、歩き疲れて帰ることに。帰りは相当登らなければならないので、バイタクで帰ることに。市民の足はバスかバイタク。運転手はきちんと登録済みのベストを着ており、後部座席用のヘルメットを持っていて、その辺は東南アジアとは雲泥の差だ。乗る前に交渉し、500ルワンダフラン(80円ほど)で丘の上のキガリタワーまで。一眼レフカメラとカウボーイハットがあるので、ヘルメットをして後部座席に乗るのは大変だ。足載せはあるので、あとは運転手のベルトをつかんでしばしのバイクドライブを楽しむ。夕方、プールサイドバーで飲みながらPCで本を読む。「鉄の骨」ゼネコンの談合にまつわる話。こんなにゆっくりと本を読むのは久しぶり。アッと言う間に読み終える。夜は、帰ってきた服部さんたち同行諸子と合流し、夕食と歓談。明日からは、ヒアリングと視察。市長と会う約束も。◆月曜日、N、K氏と3人で街中散策。僕が途中で道を間違え、結果、既存住民の集落に彷徨い入ることとなる。コンタに沿ってゆるやかに曲がる道は方向性を失う。まともな地図もなく(ルワンダには地図がない。道に名称もナンバーもついていない。)、でも、予定外の楽しい、集落・旧市街地散策となった。神様ってやっぱりすごい。帰りはバイタクだが、結構遠くまで行っていて驚く。夕方は、長くカナダに離れていて3年前に帰国し、ルワンダ再生のために働くルワンダ人のR氏からいろいろとヒアリング。1994年後の都市プランニング、都市デザインの話。夜は、現地滞在の環境コンサルタントのM氏や偶然訪問中の人たちと食事、いろいろと情報をもらう。明日は役所のヒアリング。◆ちなみに蚊はいるが心配ないとのこと。ATMも使える。ホテルはソフィスティケートされており快適。まあ、なにはともあれ、紙袋の町(ルワンダはビニール袋禁止)は新鮮だ。

No.91(2002.03.04)『温故至新』

「およそ百年の寿命といわれる竹は、時が来ると一斉に開花し、やがて枯れてしまいます。・・・筍が竹冠に旬と書く所以はここにあるのかもしれません。・・・昔は今のように流通が・・・収穫してから口に入るまでは何日もかかっていたことでしょう。筍は時間が経つとえぐ味が出ます。ですから、まずはぬかを使ってアク抜きをすることから始めなければならなかったのです。ところが、いまは朝堀の筍が市場に出回る時代。ぬかなどを使わずとも、たっぷりのお湯で湯がけばアクは気にならないはずです。昔からの方法を伝承していくのは大切なことですが、時代が変われば方法論も検証され、新たに構築されるべきだと思うのです。好きな言葉に「温故知新」がありますが、私はあえて「温故至新」と使います。故き(ふるき)を温ね(たずね)、新しさを知るだけでなく、新しきものに到達することこそが重要だと思うからです。」小山裕久

No.92(2002.03.14)『海へ向かうエバ』

「エバはゴルゴ同様、依頼を受けて人を殺すことを仕事としている。ある嵐の夜、爆薬が仕掛けられた船の上で・・・。エバにとっては、(あるいはゴルゴにとっても、)それは忘れられぬ出来事であった。もちろん二人は私情をいっさい差し挟むことを許されないプロの殺し屋である。しかし、エバはゴルゴだけは忘れることができなかった。数年後、ゴルゴはエバの殺しを依頼され「エバと知っていながら」その依頼を引き受ける。エバに接触するゴルゴ。それを「偶然の再会」と喜ぶエバ。だが、「偶然ではない・・・じゃあな、エバ」とゴルゴに告げられた時、エバはすべてを悟りすべてを許し、愛した男が自分の名を覚えてくれていたことだけを喜びとして、死を準備する。この作品には『ゴルゴ13』には稀な「文学」の要素が濃厚に漂っている。男が、そして女が「生きる」とはどういうことなのかを問い掛ける真実が、ある。」つかこうへい

No.93(2002.03.18)『ミュージアムビジネス』

「もともとF・L・ライト設計のニューヨークの本館で知られるグッゲンハイムは、有名建築家による美術館建築の元祖みたいなものだが、1997年にはビルバオ、そしてリチャード・グルックマンのデザインでベルリンに、また2001年にはコールハースのデザインでラスヴェガスに開店と、矢継ぎ早!しかも、今度はブラジルで一挙に4カ所もオープンする予定・・・開館じゃなくて、開店。まさにこれはグローバルなブランド戦略なのである。カリスマ建築家を使って、コンペから完成に至るまでのプロセスをイベント化し、オートバイの展覧会やアルマーニの回顧展など、大衆受けする企画を大企業のスポンサー付きで実現。それを世界各地のフランチャイズで巡回させる。さようなら、高尚芸術。さようなら「美の殿堂」。・・・入館料で稼ぎ、ミュージアムショップでまた稼ぐ。グッゲンハイムはこうして、エンターテインメント産業として・・・」

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