n035 『薬師寺音舞台』
30日の土曜日は朝から近江八幡市で官庁街活性化計画の最終審議会。午後はランドスケープの考え方で官庁街の活性化を考えるというシンポジウムだったが、アーバンデザイン、アーバン・ランドスケープといった視点。夕方、京都乗り換えで西ノ京へ。友人の原野さんの招待で、彼が関わっている(制作補佐)薬師寺音舞台を鑑賞。今にも雨になりそうだった天気も杞憂に終わり、涼しくて最高の夜だった。出演順に、城之内ミサ(音楽家・ユネスコ平和芸術家:テレビドラマ、CM、映画等の映像音楽作曲や、自曲のアルバムが欧米でチャート上位にランクインするなど、国内外で高い評価を得る。2000年より、「城之内ミサ・世界遺産トーチランコンサート」では五大陸でチャリティコンサートを実施するほか、全オリジナル楽曲で指揮とピアノを担当するコンサートを数多く開催するなど、国際貢献と実績が認められ、作曲では日本人で初めてユネスコ平和芸術家に任命される。ユネスコのメッセンジャーとしても活躍中。)、ブルース・ヒューバナー(尺八奏者:ロサンジェルス出身。音楽を専攻した後文部省国費留学生として来日。東京芸術大学邦楽科にて故人間国宝山口五郎氏に師事、琴古流尺八を学ぶ。古典を愛する一方で、ジャズワールドミュージックのCANDELA, ギターや箏とのユニットで新感覚の音世界を創造、常に尺八の可能性を追求している。現在までに7枚のCDをリリース。東日本大震災後は80回に及ぶ応援コンサートを続行中。)が同じく琴古流尺八奏者の橘梁盟と共演。初めて見る一青窈が、「ハナミズキ」と「他人の関係 feat.SOIL&〝PIMP" SESSIONS」を。懐かしい「他人の関係」はジャジーでなかなか良い感じ。そしてまあ懐かしい稲垣潤一が「ドラマティック・レイン秋元康&筒美京平」、「夏のクラクション売野雅勇&筒美京平」を。法相宗大本山薬師寺僧侶による「般若心経」に引き続き、メインゲストのキリ・テ・カナワ(ソプラノ:稀にみる美声をもって世界の桧舞台で活躍し、1982年にはデイムの称号を授かった世界のプリマドンナ。イギリスのコヴェント・ガーデン王立歌劇場で、「フィガロの結婚」の伯爵夫人役で衝撃的なデビューを飾り、一夜にしてソプラノとして伝説的な地位を手に入れる。その後、国際的なオペラ界の第一線に一挙に登りたち、世界で最も有名なソプラノのひとりとして長きに亘り活躍。レパートリーは、オペラだけでなく他のジャンルの楽曲も含め幅広い。「キリ・テ・カナワ基金」を立ち上げ、若手育成にも力を注いでいる。)とトーマス・アトキンス(テノール),テレンス・デニス(ピアノ)と一緒に。とにかく美しく素晴らしい声だ。最後に皆で、「星に願いを When You Wish upon a Star」という構成。この日は、玄奘三蔵院伽藍も夜間に無料拝観ができ、平山郁夫作、玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」も、玄奘塔北側にある大唐西域壁画殿で見ることができた。時差ボケが治らなくてまだ暗いうちから起きていて、久しぶりに岩隈も見て(3被弾も勝ち投手。そういえば、このワイルドカード争いも面白い。)、音舞台からの帰路は、西大寺駅構内の立ち飲み、芦屋に着いてザ・バーで締めて、とても気持ちの良い一日だった。
No.103(2002.05.27)『懇親会』
24日の金曜日、都市計画学会賞の授賞式が、五月祭の準備が佳境の本郷、東京大学山上会館で開催。石川賞の延藤先生とは久しぶり、大西先生は京都造形芸大でお会いして以来。なんとなく近しい方々と一緒の受賞でうれしいことである。小林重敬学会長によれば、論文奨励賞は、若い学者の今後への励みとなるようにと、数をふやしたそうであるが、都市計画学会の分野の広さを示すような興味のある論文が多くあって、受賞理由、本人のあいさつともども、聞いていて楽しかった。亡き材野先生の弟子の北尾さんが受賞していて、感慨深いものがあった。懇親会では御船哲さんに声をかけられて驚いた。公団中部支社当時以来なので、20年振りぐらいであろうか、今は、多摩の自家用車の問題をやっていらっしゃるそうで、新しい取り組みへのお話をうかがえた。大学の先輩の佐藤滋先生とも久しぶり。先生の研究室から今年、阿部君が大阪事務所に入社。
No.104(2002.06.03)『るたん』
先月になるが、豊中のアルカイックホール(だっけ?)で、中田畿子と越智順子のかけあいウエストサイドストーリーを聞いた。越智順子がトニーで、畿子ちゃんがマリアという趣向。畿子ちゃんはあいかわらず上手いねえ。「I’m Prety」だっけ。新しいメニューが出来て良かったね。東三国の「KEITH」というバーの主催だったが、僕としてはなかなか良い気分転換になった。。その前日、越智順子もよく出ているというアートクラブに、東京の「るたん」に出ている中野幸代さんが出るというので、清水さんと出かけた。播本さんの店とは知らなかったが・・・。24日の東大での授賞式のあと、用事を済ませてから時間があったので、久しぶりに「るたん」に寄った。新宿3丁目、寄席の末広の近くだが、なにやら、近辺には若者向けの店も多くなっていて驚いた。オーナーはあいかわらずの元気。清水さん、次はそばと「るたん」だ。
No.105(2002.06.10)『都市デザイン』
「建築は、様々ある芸術の分野のうちで、社会的芸術と呼ばれている。それは、建築が、個々のうつりゆく、楽しみや悲しみを表現する芸術でなくその社会の共有する永続する喜び、願望を表すことを求められていることを示している。すなわち、建築芸術の社会性とは、あらゆる建築が、それぞれにその建てられる場所と時において、社会の共有空間、すなわち都市をデザインしているという認識を持つことにある。建築家とは、建て主にだけ奉仕するのではない。道を行くすべての人、自分が世を去った後に来るであろう全ての人のために建てていることを自覚する人でなければならない。・・・今や、建築家の職能を支える根底が都市デザインであることが認識される必要がある。現代日本の都市の危機的状況は、日本の建築家の認識をようやくその本質にむかわせつつある。」『都市計画論-私たちの都市をいかにデザインするか-』放送大学香山壽夫