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n036 『ゼミ合宿』

先週は、数年前に行った韓国旅行の面々との懐かしいBBQパーティーを、京都の吉村篤一さんの自宅で開催していただき、楽しいひと時を過ごした。その翌日からはずっと四国。個人的に徳島、松山に立ち寄り、そのあとからは、高知の澤田マンションに現地集合という研究室の夏合宿ゼミ。澤田マンション(自力建設で有名)は元住民だったという方に案内してもらって、天気が良かったせいもあるが、これも楽しい見学だった。牧野富太郎記念館を経由で、最終目的地は、四万十町の奥(大正地区)の下津井という人口70人足らずの集落。総勢35人が小ぶりのバス2台に分乗し、真っ暗なくねくね道を進む。宿泊は廃校になっている下津井小学校。食事は学生たちによる自炊。2日目、3日目の午前中は、卒業設計、修士論文ゼミで、各自が構想を発表。午後は、四万十町地域おこし協力隊の渡邉さんと住民の案内で集落を巡った。夜は村の人たちとの交流会。高齢者(といっても皆元気)ばかりの村に若者が大勢来て、村人の作ってくださったたくさんのごちそうとお酒、話もはずみ、大いに盛り上がった。ところで、宿泊させていただいた小学校が木造のとても素敵な建物で、交流会を開いてくれた温泉施設(現在は閉館もわざわざお風呂も入れてくれました)の建物も良くて、交流会に出席していた大工さんが両方とも自分で施工したという話だったので、設計者を聞いてみたら、上田 堯世(あげたたかよ)さんだったので納得。上田さんの息子さんは神戸大学を出てしばらく、僕の事務所に勤めていた。いつもながら不思議な縁が多いとはいえ、今回もびっくり。

No.106(2002.06.17)『大きな空間を造り大規模に機能を収納する失敗』

先日、午前中は東京青山でJIAの街づくり委員会、午後は名古屋で愛知住まいまちづくりコンサルタント協議会の設立記念総会のフォーラムで京都のプロジェクトの紹介、夜は大阪、大阪市大の研究会で御坊のプロジェクトの紹介と、あわただしい一日があった。名古屋は、東京圏、名古屋圏、関西圏の都心居住を比べるというもので、飯田橋ファーストビルと勝どき6丁目計画が東京の事例として紹介された。後者は、高さが195mのツインタワーに2500戸の住宅と施設が収容されるという計画だ。紹介者はアメリカの映画の未来図を映していたが、まさにアメリカが世界に勝つために、コルの輝ける都市的な計画を推し進めた近代の都市開発の失敗を、またぞろ繰り返すことにならねばという思いを持ったのは、私だけだろうか?小田実の「横に伸びる百貨店」NEWS NO.30の発想が、今、欧米では注視されている。京都カンディンスキー展は良かった。

No.107(2002.06.24)『三重など』

6月からまた、三重大の授業(集合住宅の設計とまちづくり→住居集合のデザイン)が始まった。最初の授業時には、青山を抜けて白山町の墓参の後、大学へ。先週は授業の後、所用で松坂の南、勢和まで。緑濃い素敵な場所のようだったが、あいにく日も暮れてしまい、残念であった。次回はゆっくりと景色を楽しみたい。その日のうちに 200kmを帰ってきたが、西名阪でドシャブリの雨に会い、車もオーバーホール中で母親の小さなセダンを借りていたせいもあって、なかなかに怖い道中であった。西名阪のトラックのスピードは何とかならないものか。先週は、門司下関にも出かけた。海峡を挟む2都市でキャンペーンを張っているが、ふぐの多い水族館や市場の素敵な下関には門司港から渡船。帰りは関門トンネルを電車で。関西ももっと海に親しめる環境作りをしたいものだ。今週末は長崎、福岡、山口とナチュラルな住宅地を巡る予定。雨? 

No.108(2002.07.03)『場所の力』

「「場所の力、それはごく普通の都市のランドスケープに秘められた力である。共有された土地の中に共有された時間を封じ込み、市民の社会的な記憶を育む力である」とドロレス・ハイデンは述べている。・・・都市の景観はどんな言語表現よりもはるかに饒舌に場所の社会的な記憶を語る力を有している。・・・「場所の力」は現代に生きる私達市民一人ひとりの生活に密着した記憶に根ざしたものであり、かつそれらの総体としてより広範な社会性を帯びた概念でもある。そして、その解釈と可視的表現のプロセスに市民や専門家の参加と協同といった外へ向かって運動していく力が込められている点が大きな特徴である。さらに著者は、こうしたプロセスを「公共事業」と呼び、その結果、「場所の力」が顕在された空間を「公共空間」として位置づけていることに戦略的かつ実践的な視点を読み取ることができる。」訳者からのメッセージ後藤春彦 

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