n040 『ココロノアイ』
先週は、月曜日に入院し、火曜日に右目の手術。退院した水曜日から、左目に併せて作った仮眼鏡サングラスで、社会が明るくなった。土曜日は、代表を務めるKSDP団地再編プロジェクト主催の団地再編専門家養成セミナー、星田+伴、星田+井上と、実務家ならではの面白いレクチュア。日曜日からカンボジア。大川や隅田川で祈り星放流イベントを実施するプロデューサーの原野さんと学生十数人でカンポンプロック。100個の祈り星(LED玉)の放流実験が無事完了し、幻想的な風景が。この文章はカンボジアから。さて、今年このNEWSにも結構書いている競馬の魅力は、本当に尽きるところがない。先日も、お気に入りの横山典がエイシンヒカリで破天荒な勝ち方を見せてくれたが、今週もそれに負けずとも劣らない破天荒な競馬で、ココロノアイ(心の愛)が2歳重賞アルテミスステークスを勝利。名前も素敵だが、その血統も歴史も素晴らしい。父父父父:Hail to Reason/母父父父:Northern Dancerと言えば、牝馬では、ブエナビスタ・ジェンティルドンナ・ハープスター・ヌーヴォレコルト・ジョリーダンス・エイジアンウインズ・ドナウブルー・サンテミリオン等、物凄い面子ばかり。名牝の子供は走らない、と言われ、社台グループのエアグルーヴやベガ恵まれてるけど、メジロラモーヌやメジロドーベル、そしてマックスビューティも直子はもちろん孫の代でもなかなか重賞勝ち馬までは出せなかっただけに、やっと出てくれた。しかもクラシックが狙える逸材。騎乗した横山典弘が「酒井牧場の馬で勝ててよかった」ってコメントが、祖母マックスジョリーと牧場同期でともに不慮の死を遂げたホクトベガともども気遣ってくれたこともうれしいし、オーナーブリーダーとしての酒井牧場が生き残ってほしいという思いも。ずっと心の中で生き続けているホクトベガの故郷の牧場で勝てたという意味と、ココロノアイの祖母のマックスジョリーとホクトベガは同期だったから会うことのできなかったベガの子供とジョリーの孫を、重ねて心に感じていたのかも。この娘の血統のミソはマックスビューティから出た唯一の牝馬がマックスジョリー、マックスジョリーが唯一産んだのがビューティソング。血統を残すため、未出走で繁殖に上げ、試行錯誤の配合の末重賞を勝てる馬が誕生した。マックスビューティからマックスジョリーがでて、デインヒル付けてステイを付けた。歴史ある酒井牧場の悲願、生産牧場としてはマックスビューティを始めG1、重賞勝ち馬を出しているが、馬主酒井牧場は重賞未勝利だった。現在所有している現役馬は思い入れのある母系のココロノアイただ1頭!売りに出さずに所有したことで牧場の期待が伝わって来る。で、出遅れて、かかって先頭集団にとりつき、そのまま抜け出してハナ差凌ぐという破天荒なレース。9番人気で単勝1,580-がうそのよう。 期待せずにはいられない。
No.118(2002.09.10-2)『ヘルシンキ-2』
中低層で大きな内部空間を持つ街区はなかなかに気持ちがよい。中高層の場合とはこんなにも違うのかというほどに、空が開けている。日本では中高層街区が主体で、どこかヒューマンな感覚とのズレが気になるが、中低層の場合は、全然異なる世界である。さて、ヘルシンキでは、フィンランディアホールでトーマス・アデス指揮のコンサートを聴いた。現地で出会った日経新聞の文化部の池田さんの話では、若干30歳の天才作曲家だそうで、彼の作曲によるアメリカという曲は、なかなかに不思議な曲であった。彼の紹介で、カンヌでも評判だったらしいフィンランド映画も見た。英語の字幕版で、カフェの奥の地下にある小さな劇場であったが、少しコメディっ毛もある白黒の社会派のもの。鉄道の車中のシーンで、主人公がサケを飲みながらスシを食べるシーンがあり、バックに、日本の演歌調の歌が流れていたのには笑った。アールトの自邸、最高。
No.119(2002.09.17)『アンナ・マデリーナ』
祝日の月曜日、昼間の映画(ケーブルTV)をビデオ収録して夜に鑑賞。日本と香港との合作か、ケリー・チャンと金城武の主演。バッハが妻のアンナ・マデリーナに捧げた名曲(ピアノを始めると、比較的初期の頃に習う有名な曲)を全編に散りばめた切ない恋の物語ということになるのだろうが、目を引かれたのはケリー・チャンの名前。以前に、確かドイツへの機中だったと思うが、彼女の出ているフィレンチェを舞台にした映画を見たときに印象深かったからだ。その映画も、日本の竹ノ内某?とかいう男優の出ている日本制作の映画?だった。イタリアの風景に妙にマッチした東洋の女性だと思った。つまり、いわゆる西洋映画に出てくるいかにもジャパニーズ、チャイニーズではない雰囲気が素敵だったのだ。結局、深夜にも「コーンヘッズ」という妙に考えされられるコメディを見てしまったが、本編前の岡本太郎の爆発芸術編の意味は?
No.120(2002.09.26)『地下空間』
「大都市での事例以外の地下空間利用で注目されるのは、スェーデンやフィンランドの軍事ないし国家安全保障目的のものである。この地域は先カンブリア期に形成された硬質の岩盤に恵まれ、ダイナマイトで知られるように掘削技術も発達した。東西冷戦の間に、航空機の格納庫をはじめとする軍事施設、戦時に市民が避難するための防空壕(シェルター)が多数作られている。日本で知られるストックホルムの岩盤が露出した地下鉄駅はシェルターを兼ねたものである。・・・ヘルシンキ、イタケスクスの「アクア・パラダイス」と呼ばれる地下プールは・・・象徴的である。元々シェルターとプールとが必要になり、別々に計画されていたが、二つの目的を一つに求めることになった。その際の最も重要な判断は、地上の緑を守ることであったという。」澤田誠二 岩盤露出天井の地下鉄やプールは、SF映画の中にいるようで、快適素敵だった。