n053『東海道沿いの街並みに在る集合住宅』
「出題を担当している(三重大)設計製図3第2課題「集合住宅」の第1回エスキスが開催されました。今年度は敷地を桑名市片町・宮通地区として、”城下町の遺産を活かした集住の形”と題した課題を与えました。「日本一やかましい祭り」として有名な石取祭の春日神社の参道、街路整備が進んでいる東海道、桑名城壁のある三之丸堀に面しており、色々と考えるべきことが多い敷地です。非常勤講師として来て頂いている江川先生いわく、「大学院生の課題にしてもいいくらい難しいね」とのことです。今回は類似事例調査の発表・現状分析結果の報告・全体構想の発表を行いました。どのような作品が出てくるのか楽しみです。松浦 健治郎」「本日午前中は桑名メディアライブにて9月に名古屋大と合同開催予定の設計展覧会の打ち合わせ。ついでに集合住宅の課題敷地を改めて見学してきました。今年の石取祭は8月1日から。名古屋大の堀田先生によると、夜中の0時からの叩出は必見とのこと。祝祭空間をどのように演出させるかは設計のひとつのポイントになりそうです。また、東海道沿いを歩いて、歴史的建造物を収集。桑名は戦災を受けているため、古い建物はあまり残っていませんが、東海道沿いの街並みをどのように再生させていくかも重要なポイントです。松浦 健治郎」東海道沿いの街並みの再生は難しい。みな、一様に低層で瓦屋根で、格子で・・・という。”東海道沿いの街並みに在る現代集合住宅”は、大人でも難しい課題だ。
No.154(2003.5.19)『大阪のええはがき』 <おもいがけない大阪>の発見と紹介を絵はがきで行い、大阪の街を考えるきっかけや、大阪の活性化に役立てようという「大阪ええはがき研究会」の活動も、ついに絵はがきの自主制作を行う段階にまで至り、このほど、第1段の物が完成した。研究会の9人のメンバーによる、それぞれのシリーズものの代表例を集めたオムニバス版で、9枚セットで2百円の値段がついている。2~3枚でも好みの物があれば満足できる値段だし、こんな大阪があったのかと思ってもらえれば、気持ちが通じて幸せになれる。私の作品は「大阪のバー・シリーズ」のなかから、サンボアを題材にしたもの。6月2日から、朝日新聞社のアサコムホールで開催される「もう一つの旅くらぶ」と協催の展覧会では、他の作品の紹介も行う。絵はがきの希望者は、メールで乞連絡。先週末は、昨年秋にお世話になったフィンランドのリッターさんが来日されていて、飛鳥めぐり。 No.155(2003.5.26)『杉の美林』 広辞苑で、<住む>と引く。「([巣]と同源か)生物が巣と決めたところで生活を営む意。①巣をつくって生活する。②・・・③居を定めてそこで生活する。④そのところに永くとどまる。」②は、「男が女のもとにかよって・・・。」<まちなみ>と引く。「町に人家が軒をつらねて建っている様子。また、そのところ。」小さなセミナーでの家づくりの話。「場所の声を聞く」こと。家づくりは大勢の人たちによる時間のかかった協働作業であること。柱や梁の杉は、60年材と話す。「久住高原には杉の美林がある。杉花粉症だ、木材価格の暴落だと、最近何かと評判の悪い杉であるが、こうして手間をかけて育てた杉は美しい。・・・間伐し、枝打ちをすれば、杉はよい材となる。しかし、そのためには人件費がかかりすぎ、外材に太刀打ちできない。なんとも難しい時代になったものだが、もちろん杉自身にはまったく罪はない。」これは立松和平。
No.156(2003.6.02)『千分の一の模型』 火曜日の午後は、新丸ビルと六本木ヒルズ。新丸ビルでは、中央区全体の模型を見せていただく。新しい高層のエリアはさておき、神田などの中低層のまちなみがおもしろい。なかどおりを歩いて日比谷駅へ。平日の昼間なのに、一階の新しい店舗はにぎわっている。銀行が撤退したおかげで、まちの様相が変わって楽しい。六本木ヒルズ。とにかく高層階から見る東京のパノラマは必見だ。海抜二百五十Mで、東京タワーも低く小さい。都心部の緑は素晴らしい。都市展のニューヨークや東京などの模型も必見。同じく千分の一。中低層のビルが丘陵にへばりつく様は、モロッコのフェズを想起させる。東京が良く分かる。秋の美術館オープンまでの催しで、模型の行き先は未定とのことだが、ぜひ、みんなが気楽に見れるようにして欲しい。スケールが違うが、上海の都市計画博物館のにぎわいを思い出す。すべてのまちにこのような模型が欲しいもの。